家族団欒

皆様明けましておめでとうございます。元旦からお正月と言いましたら家族団欒で年越しそばを食べ神社やお寺に初詣に行き、新年を迎えるとおせち料理を囲みながら家族の無事を喜びまた今年一年の多幸を祈る。と言うのが私の理想とするお正月の過ごし方ですが、現実は過酷でして年末年始はお世話になった本山に助法に行き自坊に戻る頃にはお正月の余韻も無く普段通りの日常を過ごす。と言うのが常であります。
先日お月参りに伺った際に檀家さんと笑い話のつもりでこの話をしますと不意に「賑やかな年越しで羨ましい」と言われました。その方は御主人を早くに亡くし子供達も道外に所帯を持ち孫達も自立しているとの事で、何年も家族と会う事が無く長い間一人で暮らしていると言います。「親孝行 思った時に 親は無し」以前何処かで聞いた川柳ですが、子供の時は親、兄弟に囲まれて生活する事が当たり前に思い、時には煩わしく思う事もある中で、何時の頃からか会うのが難しい存在になり距離が出来てしまう。家族なのに遠い人。
父母恩重経の一節に「我が子遠く旅行けば、帰りてその顔見るまでは、寝てもさめても子を思う」とあるように、その方もいつの日か家族が集まる事を切望していると思うと、助法先で迎える一人では無い年越しに救われている気がします。
1月13日の北海道新聞に「一人暮らし40年に4割」と言う記事が掲載されてまして、「日本の世帯数の将来推計」の発表によりますと2040年には全世帯の39.3%が一人暮らしになるとされこの一人暮らし世帯の44.2%が高齢者世帯になるとされてます。要因は多数記載がありますが、その中でも未婚、離婚の増加が挙げられており私自身独り身の立場からして非常に心苦しい記事でありました。
年々増加する一人暮らし世帯を考えますと、家族団欒とは当たり前のようで非常に難しい現状を感じます。

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