良い御縁

数年前に「世界で一番貧しい大統領のスピーチ」という絵本が話題となりました。
この絵本は、ブラジルでの世界会議の場でウルグアイから来たムヒカ大統領が、文明が発達し物が豊かとなり便利な生活を送れるようになった現代に対しての未来への危惧、人の幸せとは一体何なのかとスピーチされた内容のお話でございます。
現代の日本でも技術が発達し、物が豊かとなり生活するうえで便利な時代となりました。
しかし、それに反して事件や事故などが年々増えてきております。
便利な物を手にしても一時の満足を感じただけで、より高度な物が欲しい、より利益を得たい、欲が欲にかられ相手を騙す、傷つける。そんな欲のために事件や事故が引き起こされる。最近では北海道でもそのような事件が多く報道されるようになりました。
何不自由のない便利な世の中なのに、心が衰弱してしまっている。どうすれば幸せに生きていく事が出来るのかと考えさせられます。
私は、幸せに生きて行くためには家族、友人、隣人など様々な方と良い御縁を結ぶ努力をする事が大事なことだと思います。
私たちは物や財産など一人では得る事は出来ません。また私たち自身の命も自由に使う事が出来ない。様々な存在に繋がれ生かされている存在でございます。
繋がれているからこそ相手を思い、感謝して良い御縁を結ぶ努力をすればやがて周りに広がり、自分自身に幸せとなって帰ってくるのではないでしょうか。
私たちは仏様の生命を受けて、今ここに生かされお互い支えあっております。共に生き、共に栄える生き方こそが人としての本当の生き方でございます。
相手を思う心、生かされている事に感謝する心、自分に出来る事を精一杯行う心を持つ事が、良い御縁、幸せに繋がるものだと私はそう感じます。

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