気が満ちる
気が満ちる
春のお彼岸も過ぎ徐々に境内の水仙が顔を出して参りました。
先日、境内に残る雪山を崩していた時の事、近所の小学校に通う男の子3人が、私の元に走って来て一言「お坊さんビーム出る?」と聞いてきました。一瞬何を聞いているのか分からず聞き返すと「カメハメ波みたいなやつ」と。
今から20年以上前に京都の智積院で院生として入寺していた頃「孔雀王」と言う漫画に感化され本当に「裏高野」が存在したり、「臨兵闘者皆陣列在前」で法力が使える様になるのではと思い、朝の護摩行の際、当時内局職を勤められて居た護摩導師に伺った事があります。
今思えば、その時の護摩導師も私と同じ状態になったのではと思いますが、世天段の混沌供の後に護摩承仕を勤める私に一言、「今、気は出てるか?」と仰られ咄嗟に「気は見えませんが迫力は感じます」と返答をした私に「そうか、まだまだだな」と仰られました。
小学生達には、「お坊さんはまだ修行が足りてないからビームは出ないわ」と伝えましたが、スマホやパソコンが主流の現代社会に於いて、この様な純粹な質問をして来る子供達に少しホッコリ致しましたと共に、決してビームが出る事が行の境地ではありませんが、功徳を感じて貰える立ち振舞いをしなくてはと気が引き締まる思いです。
密厳院發露懺悔文の初節
我ら懺悔す無始より此の方
まずは日頃の生活から見直さなければ。
南無大師遍照金剛
第1班 田中 慶孝師