わたしが使う僧衣のことについて正しく考えよう

【わたしが使う僧衣のことについて正しく考えよう

寒さをしのぐ物である

暑さをしのぐ物である

虻や蚊、爬虫類、風、日光などの刺激から身を守る物である

(装飾の目的でなく)身体の恥部を覆い隠すために身につける物である】

東南アジアなどの仏教寺院で、朝夕のおつとめで唱える
四依(しえ)のお経の僧衣に関する一節です。

四依とは僧侶が修行生活で拠り所とする4つ、すなわち
1.僧衣として糞掃衣(ふんぞうえ)を着ること
2.托鉢すること
3.樹木の下に座ること
4.病気の際に薬の摂取のこと
です。

お坊さんなので衣を着ます。
着物です。白足袋を履き雪駄を履きます。

部屋や通路を歩いていると袖口がドアノブや何かの出っ張りに引っかかって破れます。
自動車のシフトレバーや鍵に輪っか状のお袈裟が引っかかりブチッと切れます。
読経終わって立ち上がるときに前や後ろの裾を踏んで破れます。
急に手を伸ばしたり振り返ったりすると縫い目が引っ張られて布地が破れます。
繕うための針と糸、そして急な補修に役立つ安全ピンを持ち歩いています。

冒頭のに記したお経で述べられた暑い乾いた国で生まれた仏教の僧衣とは
時代や気候などの環境が変わっていますが、
僧衣は自分の育ちや居住まいの悪さを実感させると同時に、
お坊さんとしての立ち居振る舞いを正していくという機能を持っていると思わされます。

日本のお坊さんのオシャレ心と信徒さんの受容によって発展し受け継がれてきた
スケスケの僧衣を着てこの夏もお盆参りに勤しみます。

文章 N師

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