心のゆとり

お盆も過ぎ、我々僧侶にとっては一息つかれている事と思いますが、早くも日本列島に台風の上陸です。川の氾濫、道路の陥没など大変な被害に遭われている地域もあり、北海道にも前例のない台風連続直撃による大雨は各地に広い範囲で土砂災害や川の氾濫等の被害を受け四万人に避難指示、避難勧告が出されるという事態、農作物にもおおきな打撃を与えるなどの爪痕を残しました。

自然の猛威には人は為す術が無い事を改めて考えさせられます。

この天災における被害に遭われた方々には心より御見舞申し上げます。

それとは逆にリオオリンピックでは、日本選手団の活躍により、メダル獲得数が世界で6位と素晴らしい成績を収めて幕を閉じました。また、我々北海道民には嬉しい知らせでもある、北海高校が夏の甲子園で準優勝を飾り、全国最多の37回甲子園出場に88年振りの快挙を成し遂げ新たな歴史を作りあげるという出来事もありました。ネットで挙げられている、北海高校の選手たちは試合中にガッツポーズや相手選手を威圧するような雄たけびを上げないという書き込みがありました。そこには北海選手曰く『一喜一憂しない事』らしく、一つのプレーで喜んだり落ち込んだりしない事で冷静に判断し次のプレーへと繋げ最終的に試合に勝って喜ぶ事を大事にしていると。さらに、『僕は相手打者を抑えて、ガッツポーズや雄たけびを上げたりしないです野球は相手があって成立するスポーツ 相手を敬う事を大事にしたい』と述べていて、素晴らしい心がけだと思います。というか、監督の教えがそこにあるという事でしょう。

混沌とした今の世の中には、相手を敬う心は重要な教えだと思います。敬う心により謙虚な気持ちや感謝、信頼などの心が生まれてきます。自分自身の人生に於いて、一日一日のプレーの中で大切なことです。敬うとは、名詞ではなく動詞だからこそ、日々の生活には必要とされる心なんではないでしょうか。

常に冷静沈着を忘れず、敬う心を持って実行することにより、心を豊かにし、次世代へと繋げていく大事な役割である事を実感するのではないかと思います。

北海高校の選手たちも野球のみならず、これからも敬う心を大切にして、日々精進し幸ある、人生である事を心から願います。

我々も若い世代と共に心のゆとりを持ちましょう。

文章 K寺 K師

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