IT技術とお参り

 時代が進むとともに、人は進化し、技術もまた進化していきます。

日々の技術の進化は目覚ましいものでして、数年前には考えられなかったものが、当たり前の様に日常に溶け込んでおります。

その要因の一つに「インターネット」の普及があるでしょう。

インターネットの普及により、いつでもどこでも世界中の人々とコミュニケーションをとり、様々な情報を得ることが可能となりました。

新型コロナウィルスが蔓延したことにより、ステイホームやリモートワークが推奨されたことで、一層広まったと感じます。

こうしたIT技術は仏教の世界にも様々な形で浸透しております。

例えば、スマートフォン一台あれば、あらゆる場所から世界中見て回ることができます。高野山真言宗金剛峯寺の中も拝観することができ、高野山の町中を見て回ることができます。

高野山に行きたいが、様々な事情で行くことができない方々も、雰囲気程度ではありますが、見ていただくことができるわけであります。

今はコロナが蔓延しているということもあり、雰囲気だけでも感じることができるのは良いことだと思います。

そうした中、近頃では「オンライン法要」という言葉が目につくようになりました。これは自宅にいながら法要やお参りを視聴するもので、実際に法要の会場に行かなくても、式の雰囲気を味わえるというサービスだそうです。

コロナが蔓延している現在では、移動も難しく、式自体も密を避けるために最小限の人数で行う風潮となっております。

会場に行くことはできないが、せめてお経を聞き、故人様を偲びたいと、オンラインで参加されるというお考えはとても素晴らしいことであると思います。

一方で、利用される方の中には「楽だから」「行くのが面倒だから」という理由で、安易にオンラインを選択されている方もいらっしゃるようです。

私個人の意見ではありますが、法要は僧侶やご遺族様だけで執り行うものではなく、ご参列いただく皆様と共に作りあげ、故人様を偲ぶものであると考えております。

コロナが無事終息した暁には、故人様とご縁があった皆様が直接お集まりになり、故人様のために手を合わせて、思い出話に花を咲かせながら、お参りしていただきたいものです。

                               合掌      3班 伊東 大善

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