こころ

夏至も近づき日も長くなり、暖かさと共に夏の訪れが近づく今日この頃でございます。

衣替えの時期でもあり何かと忙しくなりますが、皆様「忙しい」という漢字を思い浮かべてみてください。

これは「りっしんべん」に「亡くす」と書いて「忙しい」と読みますが、この「りっしんべん」は【こころ】という意味でございます。

つまり忙しい時に一杯一杯になってしまうことや、イライラしてしまうというのは自分の本来の【こころ】を亡くした状況を表していて、自分の【こころ】が平常ではないということになります。

そして今の世情を鑑みますと、毎日の新型コロナウィルス感染症の発生状況やオリンピックの開催の是非などで常に戦々恐々の日々が続き、忙しくなくてもご自身のおこころを亡くしてるような、気持ちの面でも平常とは違う社会であるように感じております。

そのような中、皆様は「合掌」の意味をご存知でしょうか?

「合掌」とは神仏への敬意と感謝を表す【帰依】という意味と、もう一つ大切な意味がございます。

右の手は【仏様】を、左の手は【我々人間】を表し、両の手を合わせることで二つが一つになるということです。

【仏心】と言いまして、私たちが仏さまになれる、私たちが仏さまのおこころになれるという意味です。

合掌しながらイライラして人を怒る人なんていません、お大師さまは般若心経秘鍵盤の大網序に「夫れ仏法遥かに非ず、心中にして即ち近し」とあり、「仏法というものは遥かかなたにあるものではない、それは心の中にあるので最も近くにあるものである」とおっしゃられております。

皆様どうかコロナに対する恐怖、ワクチンに対する不安、自粛生活におけるイライラなどの非常に難しい世の中だからこそ、ご自身の中にある本来の仏さまとしてのおこころを亡くさないよう【こころ】を整えるという意味で神仏諸尊様やご先祖様に向かって合掌することで、自分自身のチューニングをしてみてはいかがでしょうか。

                          合掌    2班 川村 龍俊  

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