共に前へ

 六月を迎えました。新型コロナウィルス感染拡大により、日本だけでなく世界中が危機的な状況を迎えておりました。そんな状況の中、医師、看護師をはじめとする医療従事者の懸命な治療・対応、緊急事態宣言の発令により多くの人達の自覚を持った行動により、新たな段階へと踏み出しました。しかし、感染リスクが大きい事から、何かと制限が掛かる生活が続いております。

 本来であれば、この時期の北海道ではよさこいソーランなどのお祭り行事・運動会など様々なイベントが各市町村で開催され、賑わいを見せる時期であり、また祖山においても御大師様がご生誕された月でもあり、私自身も六月を迎えると心を躍らせておりました。家族・友人、沢山の人と行事を通じて喜びを分かちあえるのはとても幸せなことです。今の事態を迎え思う事は、これまで当たり前のように過ごしてきた日常こそが平和そのものであるという事であり、いかにありがたい事であったのかという事です。

 新型コロナウィルスの影響により、テレビ、新聞等から様々な光景を眼にしました。一番恐ろしく感じた事は、公共の場で咳き込んだ人を嫌な眼で見る、マスクが無い事を店員さんに怒鳴りつける、デマに翻弄されて必要以上にペーパー類を買い漁る、感染してしまった人を罵るなど、誰も悪くはないのに怒る、差別する、貪る、知らず知らずのうちに自身の心が三毒に染まってしまう事です。そのような心が増えてしまっては、たとえ新型コロナウイルスが終息しても本当の平和を迎えるのは厳しいものです。

 このような時だからこそ、憎しみでは無く、慈しみで人とのつながりを大切に、相手を思い助け合い、寄り添い、共に喜びを分かち合い、人との垣根を取り除いて共に力を合わせる。仏様から授かった心(慈・悲・喜・捨)を大切に人との輪を作る事が早期終息、平和な生活に向かう為に一番大事なことではないでしょうか。

一日も早く安心して生活できる日を信じて。

笑顔で再開できる日を願って。

共に歩みましょう。

                             合掌

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