森羅万象

森羅万象「この世に存在する全ての物や現象」

 

冷え行く寒さの候、一歩一歩白い道を踏みしめながら四季の一つを感じ、物事には全て意味があるんだと教えられている気がする。

冬になると、北は雪が降り外に鎮座されている仏様もそのままにしていると、雪で隠れていってしまいます。
そうならぬよう、そうなる前にせっせと雪を払い仏様が変わらずそこに立ち、座っていられるよう精進させていただきます。
雪を払う間、自然と仏様との距離も近くなり、いつも想い、いつも感じることはやはりただの石や物ではなくなにか気配のする特別な存在です。
春が来て雪が解ければ人の足は速くなり、また雪が積もれば足は遅くなる邪魔だ邪魔だとうっとうしく感じる雪もここ数年は関東の方でも多少なりと降りますが
一年に一度は焦らずゆっくりと目的を果たしなさいと教えに来ている北の恵なのかもしれません。

春が来て、動植物たちも顔を出し命芽吹く季節。
私たち人間も自宅から外に顔を覗かせる機会が多くなってきます。
身に着けているものは重かったものから軽いものに変わり、生地の厚さも段々と薄くなり身動きのとりやすい物へと変わっていきます。
私たち僧侶も同じです。冬は生地の厚い白衣(はくえ)から薄いものへと変わります。
個人差はあれど見た目だけではなく、心も同じではないでしょうか。重かった気持ちが気温の上昇と共に軽くなっていくのは特定の人だけではないはずです。
しかし、小躍りし出した心は時に良くないことを起こすものです、上がり切った気持ちを制御できず、人につらく当たったりすることも少なからずあるかと思います。
そんなときは一歩引き、常に心に鏡を持ち、自分を見つめ、曇ればまた拭く丁寧な気持ちで過ごしていただければいいなと想います。

「森羅万象」日常で私たちが遭遇する全ての出来事が森羅万象であり、その一つ一つから学ぶ事が沢山あるのだなと日々感じます。

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