燈明

最近、お参りに伺うお家でのローソクやキャンドルのバリエーションが豊富で驚かされております。聞く所によると、子供さんや孫さんが旅先のお土産に必ずローソクやキャンドルを買ってくるとの事です。その種類は、最近多く目にするお酒の形は勿論の事、ケーキ、果物、団子、お寿司、また海外のものになると家の形をした大きな物があります。

お家の方が、私に『お父さんにお寿司やお酒の本物はお供えできないけど、ローソクではダメですか?』と聞かれたので、私は良いと思います!!と答えました。そこのお家はローソク立てとキャンドル置きが仏壇にあります。その月々で色々なローソクやキャンドルがお供えされております。誕生日の月はケーキ、暑い日には枝豆とビール、また時には孫さんが書かれた手紙などもお供えされております。

御大師様が『毗盧遮那とは光明遍照の義なり 一燈一室に遍じて暗を除き 一日一天に遍じて黒を奪う』と申されております。

意味は、御本尊様の大日如来とは光明遍照のことである。室内の灯明や空の太陽のように、暗黒を消して周辺を明るくするからである。

本当に、ここのお家では御本尊様と一緒に様々な灯明が目の前で輝いております。今の時代、家を代々守っていくのが難しく時には寂しい想いもしますが、この様な檀家さんにお会いすると心が暖かくなります。

今月は、秋のお彼岸なのであのローソクがお供えされているかな・・・?と今から考えている所です。

文章 Y師

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